Alsacienne

フランスはアルザス地方の数ある銘菓のひとつ「Pain d’épice(パン・デピス)」

Biscuiterie èreでは、この歴史あるお菓子を、象徴的なプレッツェルの形に焼き上げました。

アルザス地方とドイツの関係性

フランス東部、ドイツとの国境に位置するアルザス地方。

長らく両国の間で利権のために揺れ動き、それゆえドイツの文化的影響が、今なお色濃く残る地域です。

アルザス旧市街の街並みの特徴のひとつとして、商店にはモチーフ付の吊り看板がついています。

これは中世ヨーロッパの各地において、識字率が低かった時代、文字ではなくモチーフで何を扱う商店かわかるよう示していた名残です。

モチーフは各ギルド(同業者組合)の紋章をもとにしています。

ドイツのパン屋の紋章に倣い、アルザスでもプレッツェルがパン屋の象徴として掲げられています。

パン・デピスについて

フランスで最も長い歴史のあるお菓子のひとつに数えられ、17世紀のフランス語辞典には ”蜂蜜とライ麦粉、4種のスパイスを混ぜた生地を窯で焼いたもの” と定義されています。

ケーキのように膨らませて焼いたり、クッキーのように平たく堅焼きにしたり、地方によって形状は様々あります。

一説では、古くはローマ帝国の時代、あらゆる焼き菓子の原型ともいえる「パン・オ・ミエル(=蜂蜜パン)」にスパイスで香りづけをして、現在のようなパン・デピスができたと考えられています。

16世紀以前、スパイスは大変貴重なものでした。

大航海時代を経てフランス国内で入手しやすくなると、最もシンプルで庶民的な食べ物であったパン・オ・ミエルにも加えられるようになり、多くは航海中の保存食としても重宝されました。

現在では、クリスマスマーケットの本場であるドイツやアルザスにおいて、華やかな装飾を施したパン・デピスは、なくてはならないお菓子となっています。

小麦とライ麦

またアルザスでは、中世より悪気候や災害に備え、小麦とライ麦の混合栽培の歴史があります。

そのため、アルザスの伝統的なパンは、小麦とライ麦を半々に配合してつくられます。

こだわりの素材

ベースとなるスパイスは、シナモン、バニラ、スターアニス等甘い香りを中心にブレンド。

ひとくちかじれば、ふわっと優しく香ります。


味の要となる蜂蜜は、スパイスに負けない個性がありながらも、クセが強すぎないドイツ産シュヴァルツヴァルトの希少な甘露蜜「ブラックフォレストハニー」を。


さらに、混合栽培の伝統を鑑み、小麦粉とライ麦粉を同割で配合し、ライ麦のほのかな酸味も感じられるよう仕立てています。

複雑で繊細な香りを邪魔しないよう、また貴重な文献の記録にもできるだけ忠実に、卵もバターも使用していません。

代わりに、植物性マーガリン「Sociel(ソシエル)」により、カリッとした食感に仕上げています。

Sociel

「他の素材を邪魔しないこと」を目的として開発され、乳化剤、着色料、保存料、香料無添加、さらにトランス脂肪酸低減と、体に優しく安全なこだわりが詰まった植物性マーガリン。

Biscuitrie èreでは、バターの香りを加えたくないお菓子に限り、使用しています。

出典
お菓子・パン材料・ラッピングの通販【cotta*コッタ】

アルザスの歴史ある古い街並みを散策するように、ぜひホットワインやあたたかい紅茶と共にお楽しみください。

出典


歴史をつくった洋菓子たち~キリスト教、シェイクスピアからナポレオンまで~
(築地書館) 長尾健二 著
h.f.ullmann publishing GmbH : Encyclopédie Gourmande FRANCE Recettes.Terroirs.Spécialités, Potsdam

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