フランスは南部、イタリアのサルデーニャ島の北隣、地中海に浮かぶ「コルシカ島 」
この島の特産物で表現された郷土菓子「Canistrelli(カニストレリ)」をテーマに取り組みました。
コルシカ島について
現在フランスの島でありながら、17世紀頃まではイタリアの支配下にありました。
フランスよりはイタリアに近い地中海性気候の地域に属し、風土の特徴を生かした独自の文化を維持しています。
Île de beauté
フランス皇帝ナポレオン一世の出身地として有名なだけでなく、フランス人の間ではバカンスを過ごす先として人気があり、「Île de beauté(美しい島)」という異名で、その美しさが称えられています。
コルシカ島の特産品
コルシカ島は自然が豊かで、数多くの特産品があります。
その中でも、ここでは「栗」と「クレモンティーヌ」にフォーカスしていきます。
Châtaigne
「海にそびえる山」とも呼ばれ、山がちで平地の少ないコルシカ島では、古くから小麦の代わりに栗を栽培していました。
小麦粉のように細かい粉に挽いた栗粉は、現在でも島の主要穀物として様々な料理に使われています。
Clémentine
そして「クレモンティーヌ」は、フランスで唯一コルシカ島だけで生産されている柑橘の一種です。
ミカン系統のマンダリンとオレンジの自然交配種で、島内だけでなく、フランス全土で人気があることに加えて、2007年には地理的表示保護IGPに登録され、一定に保たれた品質が保証されるようになりました。
Canistrelli
~カニストレリ~
これらコルシカ島の特産品をうまく合わせた郷土菓子として、「Canistrelli(カニストレリ)」が挙げられます。
栗粉、蜂蜜、植物性オイルなど、島の食材を使って作られるこの素朴なビスケットには、通常いくつもフレーバーバリエーションがあり、もちろんクレモンティーヌも用いられます。
Biscuiterie èreでは、イタリア産西洋栗のパウダー、ワックス・防腐剤不使用の国産みかんの果皮、白ワインと栗の蜂蜜でLa Corseを構成しています。
イタリアはカンパーニャ州においてIGPの地域品質認証を得ているDeaterra社の西洋栗パウダーは、乾燥の工程を栗やオークの木を燃やして行うため、独特のウッディな香りを伴っています。
この個性的な栗パウダーが、素朴な郷土菓子Canistrelliを洗練させ、La Corseに繋げるための特に重要な要素であることは言うまでもありません。
また、その地形や風土の特徴から、農業や畜産業が制限されがちであったコルシカ島の事情を踏まえ、小麦粉、バター、卵を使用せずにおいしさを追求することもテーマのひとつでした。
バターの代わりに、「Sociel(ソシエル)」という植物性マーガリンを使用しています。
Sociel
「他の素材を邪魔しないこと」を目的として開発され、乳化剤、着色料、保存料、香料無添加、さらにトランス脂肪酸低減と、体に優しく安全なこだわりが詰まった植物性マーガリン。
Biscuitrie èreでは、バターの香りを加えたくないお菓子に限り、使用しています。
出典
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日本で栗のお菓子というと、モンブランのように砂糖をたくさん加えてまったりとしたものや、フレッシュな栗そのものを味わうためのシンプルな栗きんとんが代表的ですが、La Corseはそのいずれにも似て非なるものとなっています。
穏やかな甘みに栗らしいほくほくしっとりとした食感、木の香りを纏った西洋栗とほんのりビターな栗蜂蜜、そして日本ではまず発想しないような、コルシカらしい食材をとりどりに組み合わせた、全く新しい栗の表現です。
ペアリングのすすめ
白ワインを少量使用していることから、特に果実感のあるすっきりとした白ワインやロゼワインなどは、違和感なく合わせていただけます。
また、柔らかくマイルドな口当たりの和紅茶とのペアリングも、優しく趣のある組み合わせとしておすすめです。
地中海を臨む美しい情景のもと、栗の新たな楽しみ方への扉が開かれますように。
出典
コルシカ島 (y-history.net)
コルシカ料理 (france.fr)
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