愛知県は西尾市を代表する特産品「西尾の抹茶」にフォーカスしたお菓子。
農薬不使用の伝統的な有機農法で、栽培から製茶まで一貫して行う、西尾の歴史あるお茶屋さんこだわりのお抹茶を、軽くて儚いフランス菓子に落とし込みました。
西尾抹茶について
茶の分野で、抹茶に限定した地域ブランドとして初めて特許庁に認定された「西尾の抹茶」。
愛知県西尾市、およびその周辺地域で生産された茶葉を、同地域において加工・精製の後、茶臼挽きにして作られた抹茶をさします。
遡ること750年余、宋より茶の種が持ち込まれ、明治時代に生産が本格化、上質な茶葉を栽培する気候的条件が揃っていたこともあり、大正時代には日本有数の抹茶の産地として知られるようになっていきました。
特筆すべきは、日本で唯一、抹茶に特化した生産地であるということです。
生産量の96%が抹茶の原料である「碾茶」、つまり、生産された茶葉のほとんどが「西尾の抹茶」になるということです。
その味わいはまろやかで、上品な香りと穏やかに続くうまみを併せ持ち、鮮やかな深い碧緑色をしています。
農薬不使用
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有機栽培
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伝統製法
歴史ある西尾抹茶の中でも、Biscuiterie èreがこのNishioのために選んだのは、農薬不使用の伝統的な有機農法にこだわってつくられたお抹茶です。
農薬に頼らず、丁寧に手入れされて育った茶樹の新芽が伸び始める4月頃、茶棚全体を遮光資材で覆い、新芽の育成に合わせて遮光率を高めながら、わずかな日光で新芽をゆっくりと成長させます。
この「棚式覆下栽培」によって、甘みとうまみが生成され、柔らかく鮮やかな緑色の茶葉が得られます。
収穫された新芽は高温で蒸され、続いて「三河式碾茶乾燥炉」に送られます。
これはレンガ積み、遠赤外線による乾燥設備で、茶葉の状態に応じて綿密に乾燥度合いを管理することができるため、品質の安定した碾茶生産が可能となります。
こうしてできあがった碾茶は、硬さやきめ細かさなどの性質が最も抹茶に適しているといわれる「岡崎市産の御影石でできた茶臼」を用いて、低速でじっくり時間をかけて抹茶に挽かれます。
摩擦熱による高温を避けることで、碾茶のもつ色や香り、風味そのままの味わい深いお抹茶ができあがります。
碾茶とは?
Nishioには、微粉末状の「抹茶」、抹茶に挽かれる前の状態である「碾茶」の2種類を使い分けています。
先述の通り、「碾茶」とは、抹茶の原料を指します。
高級緑茶として名高い「玉露」は、実は碾茶の製造過程で派生した製法によるものだそうです。
両者の違いは、茶葉を蒸した後に手揉みを行うかどうか。
つまり抹茶は、玉露と同じ高級茶葉をまるごときめ細かく挽いた粉、ということになります。
そして碾茶は、抹茶の原料であるため、碾茶として販売されることはほとんどありません。
Biscuiterie èreでは、かねてよりお付き合いのある西尾市のお茶屋さんに碾茶をご紹介いただき、直接取引させていただいているため、碾茶をそのまま使用した、他にはないユニークなお菓子「Nishio」を確立し、皆様にお届けすることが叶いました。
抹茶だけでは表現しきれない西尾抹茶のおいしさを、是非ご体感ください!
海外との関連性
抹茶は、今や「Matcha」として海外でも定着している人気の日本食材です。
私がパリにいた頃も、街中のカフェでカジュアルに抹茶スイーツや抹茶ラテを日常的に楽しむ人々をしばしば目にしたものです。
今回フランス菓子であるメレンゲに西尾抹茶を混ぜ込んで使用していますが、実は西尾抹茶は、現在その90%が洋菓子や和菓子、飲料等の加工品に利用されているようです。
実際に使用してみると、さすが丁寧につくられているだけあり、鮮やかな天然の発色に加え、混ぜ込みや焼成を経てもしっかりと感じられる豊かな香りとうまみが素晴らしいという印象です。
「NISHIO MATCHA」としてすでに積極的に海外展開されているそうですが、加工に適した西尾抹茶は、歴史ある高い品質と特性で、着実に世界の抹茶需要を満たし、末永く各地で愛されていく可能性を、期待せずにはいられません。
日本の素晴らしい食材について理解を深め、また多角的にその価値を捉えるきっかけとなれば幸いです。
出典
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西尾の抹茶 – 西尾観光
愛知 西尾の抹茶 | 西尾の抹茶について
てん茶(碾茶)と玉露の違いとは?抹茶の原料になる蒸し製緑茶 | CHANOYU
玉露とはどんなお茶?高級茶として名高い玉露を紐解いてみよう – 煎茶堂東京オンライン
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